ザ・ジャズ・プロフェッツ解散後、クリフォード・ブラウンを失った
ブラウン・ローチを助け、そこでの同僚ソニー・ロリンズとも
組んで多彩なアルバムを録音。
58年7月にはノドをフィーチャーした『ジス・イズ・モーメント』なんて
ものまで作った。
その年には『危険な関係』出演、59年には『彼奴を殺せ』の
サントラ録音とフランス映画界にフィーチャーされたドーハムである。
そうして大活躍する中、59年冬久々に作ったリーダー作『クワイエット・ケニー』は
バラード表現に新境地を開いたとも言えるだろうけど、オリジナルも旧作も
「ロータス・ブロッサム」と少々だけに、息抜き程度の感もある。
実はこの頃ケニー・ドーハムはスティーヴ・キューンを含むクインテットを
持っていた。 代役で、トミー・フラナガンが入ったりもした。
本当はジミー・ヒースをレギュラーにしたかったけど、彼は売れっ子だったので
デイヴィスを据えたという。
当時のスタジオ録音が本アルバムと『ジャズ・コンテンポラリー』だ。
前者はしょっぱなからブリリアントなトーンでスピーディーにイマジネイティブな
ラインで描いて飛翔するケニー・ドーハムが聴ける。
充実の極みだ。
ジ・アライバル・オブ・ケニー・ドーハム/ケニー・ドーハム
ジ・アライバル・オブ・ケニー・ドーハム に加筆・修正を加え転載。
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